(裏地:パイル)
みんな、自分の守護天使を知らない。知らないままに生きている。おれはそのことを知っている。
おれの守護天使はいつもネタの品質に文句を言っていて右目と左手の親指がない。そして麻薬の売人をしてるんだ。
想像もつかない意外なやつが、意外な誰かの守護天使をしている。
おれの守護天使は年老いたおれのプッシャーだった。ずっと気づかなかった。けれど気づいたんだ。だから、その後はずっとそいつから買ってる。だって守護天使だから。
あなたの守護天使は一体誰だろう。今もあなたを見ているのかもしれない。
いや、きっとおれがあなたの守護天使なのかもしれない。気づかないだけで。
だとすれば、あなたの守護天使は自分がオーヴァードーズしているプリントのTシャツをだいたい4億円ぶん位売って、最近やっと睡眠薬の中毒から抜け出して、今子育てをしてる。
意外だったはずだ。おれだって意外だよ。まさかおれがあなたの守護天使だったなんて。
みんな誰かに守られている。薬物中毒者も、人間のクズも、人殺しも、あいつも、あなたも、もちろんおれも。
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BBC Angels Hoodie